失いかけた自信を取り戻すために…日本代表を救うのはフレッシュな最前線か

マリ戦で失った自信を取り戻すために…。ウクライナ戦はテストマッチ以上の価値を持つ。そのカギを握るのは?

中島翔哉(ポルティモネンセ)の劇的同点弾で1-1に追いつくのが精いっぱいだった23日のマリ戦(リエージュ)。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が後半途中から「タテに蹴れ蹴れ」と強引な指示を送ったことに何人かの選手が違和感を覚えるなど、チームは不穏な空気に包まれている。「この状況から早く抜け出したい」と長友佑都(ガラタサライ)は焦燥感をにじませたが、チーム全体が強い危機感を募らせていることは間違いない。

そうした中、日本代表は27日、ベルギー遠征ラストのウクライナ戦に挑むことになる。この試合で納得いく戦いができなければ、ロシア・ワールドカップ本番に向けて絶望感が漂う。これだけは回避すべく、内容ある結果を絶対に手にしなければならない。

■結果を求めるメンバー選考に

「相手が格上だと言われている中でトライしないといけない。勝利に飢えている」と話すハリルホジッチ監督も勝つためのメンバーを起用するはずだ。GKはもちろん川島永嗣(メス)。クラブでも最近の彼の安定感は頭ひとつ抜けている。苦境にひんする今こそ、日本代表には35歳の絶対的守護神の経験値が必要なのだ。

最終ラインは相手の高さを想定して植田直通(鹿島)の抜擢が濃厚となった。ウクライナにはアルテム・クラヴェツ(カイセリスポル)、21歳のアルテム・ベシェディン(ディナモ・キエフ)ら、185センチ超の大型FWが複数いる。彼らを封じるためには、日本人離れした身体能力と高さを誇る植田が不可欠だと指揮官は考えたのだろう。昨年12月の東アジアカップ(E-1選手権)では右サイドバックを主戦場にしていた彼だが、本職はご存じの通りセンターバック。「競り合いは大好物」と本人も言うように、高さでの勝負は得意中の得意だ。本大会を視野に入れても、ポーランドのロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン)、セネガルの195センチのDFカリドゥ・クリバリー(ナポリ)ら長身選手が少なくない。リスタートの守備を考えても植田のようなタイプはやはり重要だ。今回は本当に彼が使えるか否かをチェックする絶好のチャンスと言っていい。

DF陣の並びは右から酒井高徳(ハンブルガーSV)、植田、槙野智章(浦和レッズ)、長友佑都(インテル)という形が有力。右サイドバックはケガから復帰し、前日練習でフルメニューをこなした遠藤航(浦和)を使う選択肢もあったが、ハリルホジッチ監督は無理をさせられないという判断を下した様子だ。彼らがマリ戦のような不用意なミスを犯さず、相手を零封すること。停滞感打破のためにはそこからスタートしなければならない。

中盤は大島僚太(川崎フロンターレ)が左ふくらはぎ負傷で練習合流していないため、ボランチは必然的に長谷部誠(フランクフルト)と山口蛍(セレッソ大阪)の組み合わせになる。トップ下は前回出番のなかった柴崎岳(ヘタフェ)が出ると見られる。後ろに長谷部と山口が陣取っていれば、柴崎も持ち前の攻撃センスを発揮しやすい。「相手はハイラインを保ってくる印象があったので、基本的には相手の背後を突く動きも必要になりますし、そこに出すパスも重要になる。試合に入って相手がどういうふうに入ってくるのか、どういう守備をするのかを、しっかり見極めてやる必要があると思います」と本人も狙いをしっかり定めていたが、スペイン仕込みの鋭い戦術眼を今こそ見せつけるべき時だ。

■最前線は新鮮な組み合わせに

前線3枚は、右から本田圭佑(パチューカ)、杉本健勇(C大阪)、原口元気(デュッセルドルフ)というフレッシュな陣容になる。マリ戦後半はハリルホジッチ監督の「中島に蹴れ」という指示がマイナスに作用し、効果的なビルドアップができなかったが、本田が出ていた終盤は「右サイドでゲームを作って左に展開」という形を試みようとはしていた。それを酒井高徳、山口という同じメンバーと再チャレンジできるのは、背番号4にとってもポジティブな点だろう。

「次のウクライナ戦は結果にこだわる」と本人も語気を強めていたが、自分のリズムでプレーしてくれれば、杉本や原口、柴崎も裏へ飛び出しやすくなるはず。加えて彼自身がゴールに直結する仕事をしてくれれば、チームもいい方向に進んでいく。敵将のアンドリー・シェフチェンコ監督に「本田は真のプロフェッショナル」と言わしめる男は、ピッチ上であらためて存在価値を実証するしかない。

本田・柴崎・原口という2列目は2017年9月の最終予選・サウジアラビア戦(ジェッダ)でもそろって先発出場しているが、あの時は本田と原口のコンディション不良などの連動性を欠いていた。けれども半年の時間が経過し、本田は肉体改造の成果もあってフレッシュな状態を取り戻している。原口も新天地に赴いてプレー機会を得ることに成功。脳振とうのダメージも払拭した状態だ。柴崎にしてもケガから復帰してかなりの時間がたっている。だからこそ、最終予選ラストマッチと同じ轍(てつ)を踏むことは考えられない。そうしなければ、いけないのだ。

そのサウジアラビア戦で初キャップを飾った杉本も昨年11月のブラジル(リール)・ベルギー(ブルージュ)2連戦を経験して、世界基準への理解をより深めている。彼のような190センチ近い大型FWがしっかりとターゲットになってくれれば、創造性の高い2列目トリオは確実に生きてくる。同じ92年生まれで中学時代からともに年代別代表で戦ってきた柴崎とのタテ関係も杉本にとっての追い風になるだろう。

いずれにしても、この前線4枚が機能し、攻撃陣に新たな勢いが出てくれば、悪い流れは必ず変わる。川島が「1人ひとりがロシアの23人に入るためにアピールしていかなければいけない大切な試合。それぞれが持っている力、特徴を出し切ることが大前提」と強調したように、アタッカー陣が個々の強みや武器を前面に押し出し、いい相乗効果を生み出してほしい。そのけん引役として本田圭佑にはひと際、大きな期待がかかる。

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